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今回は異物がのどに詰まったときの対処法についてまとめてみました。というのも、先日家族が食事中に『のどに詰まった!救急車!』とえらい騒ぎになってしまいまして、これを機に自分なりに知識をまとめ直してみようと思った次第です。
実際に事故が起こってしまうと、傷病者も救助者もそうとうパニックになってしまうと改めて感じましたので、一般的に広く知られている対処法について、多くの方に周知していただきたいと思います。そのうえで実際の経験上から、私なりの見解もふくめて改めて対処法について考えてみたいと思います。
窒息(ちっそく)とは
食事の際に、食べ物などが気道(鼻や口から吸いこんだ空気が肺に送られるまでの通り道)に詰まって息ができなくなった状態を、気道異物による窒息(ちっそく)といわれています。
高齢者は噛む力や飲み込む力に個人差が大きく、同じ対応が常に有効であるとは限りません。いざという時に慌てないために、個人に合った食事環境や形態を常日頃から検討することが重要です。
どのような食べ物が窒息しやすいのかを把握して、食事の速さや姿勢、見守りの有無、水分量の調整や食べやすい形態にするなどの配慮が必要となってきます。
窒息リスクが高い代表的な食べ物としては、以下のような食べ物が窒息事故を引き起こしやすいとされています。
| 形 態 | 代表的な食べ物 |
| かみ切りにくいもの | コンニャク、硬い肉、イカやタコなど |
| 粘り気が強いもの | モチ、だんごなど |
| 水分を奪いやすいもの | クッキー、パン、カステラなど |
| 丸くて滑りやすいもの | ブドウ、ミニトマト、キャンディーなど |
窒息のサイン
窒息のサインをあらかじめ知っておくことで、実際に事故がおこったときに迅速に対応できます。
異物がのどに詰まった場合は、一目で分かりやすい症状がでます。このような症状があれば“のどが詰まったの?”と尋ねてみましょう。うなずくようであれば、ためらわずに直ちに救助を行いましょう。

※画像はイメージです
窒息時の対応
日本救急医療財団心肺蘇生法委員会が監修している「救急蘇生法の指針」は5年ごとに改訂されていて、最新版は2026年7月末発行された「改訂7版 救急蘇生法の指針 2025」となります。
指針では窒息時の対応として、呼びかけに反応がある場合は「異物除去」を、反応がない場合は「心肺蘇生」を行うと記載されています。
今回は家庭内で窒息が起こったと想定し、救助者が1人しかいない時の対応について、指針をふまえながら考えていきたいと思います。
呼びかけに反応がある場合
救助者が一人だけの場合は、傷病者に反応がある間は119番通報よりも異物除去を優先します。
声が出ない、強い咳ができない、あるいは当初咳をしていてもできなくなった場合には、まず背部叩打を試みます。
背部叩打で異物が除去できなかったときには、次に腹部突き上げを行います。
腹部突き上げを行っても異物が除去できない場合は、背部叩打と腹部突き上げを繰り返します。腹部突き上げが難しければ、背部叩打を繰り返してください。
日本救急医療財団心肺蘇生法委員会 「改訂7版 救急蘇生法の指針 2025」
※今回の改訂では、今まで曖昧であった「背部叩打法」、「腹部突き上げ法」の実施回数についても各5回程度と明記され、今まで以上に適切に対処できるようになりました。
【背部叩打法(はいぶこうだほう)】

①手のひらの付け根部分で、左右の肩甲骨の中間あたりを5回程度力強くたたきます。
【腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)】

①当事者の後ろにまわり、両腕をわきから通して手をまわします。
②一方の握りこぶしをつくり、その親指側をへそより少し上に当てます。
③握りこぶしをもう一方の手で握って、すばやく手前上方に向かって5回程度圧迫するように突き上げます。
呼びかけに反応がない場合
傷病者がぐったりして反応がなくなった場合は、心停止に対する心肺蘇生の手順を開始します。胸骨圧迫によって異物が移動し、気道が開通することもあります。まだ119番通報をしていなければこの段階で通報し、近くにAEDがあれば、それを持ってくるよう近くにいる人に依頼します。
日本救急医療財団心肺蘇生法委員会 「改訂7版 救急蘇生法の指針 2025」
この場合、心肺蘇生の手順にそって行います。今回は異物除去についての対応について重点的に説明いたしますので、心肺蘇生については割愛させてただきます。詳しく知りたい方は「改訂7版 救急蘇生法の指針 2025」をご参照ください。
自身の経験に基づいた私見
実際に異物がのどに詰まった場合、以下のような状況が想定できます。
これらの状況をふまえて、あくまで私見ではありますが私の経験をもとに意見を述べさせていただきたいと思います。公に推奨される手順とは異なる手順があるため、一個人の考え方としてご一読ください。
まず最初に、必ず誰かに助けを求めるか119番通報を行うべきであると考えます。1人で救助を行うとパニックに陥り冷静な判断ができなくなります。
また救助者にも精神的な負担が重くのしかかります。最悪な事態になった場合、救助者が救助を行った自分自身を責めることにもなると考えられます。したがって必ず他者に救助を求めるのが第一であると私は考えます。
助けを呼ぶ時はスマートフォンのスピーカー機能を使用すれば、電話しながらでも救助を続けられるのではないかと思います。
次に異物除去を行いますが、苦しみもがいている状況から行うことができる異物除去法として「背部叩打法」は小柄な女性であっても実施可能であると思います。
もう一つの手技である「腹部突き上げ法」は十分な姿勢がとれないことや、小柄な女性には難しいこと、手技の正しい方法を理解し適切に実施しなければならないことから、実際の家庭内で起こった場合に実施することは難しいのではないかと思います。
また医療機関であれば吸引装置なども設置されている場合もありますが、一般家庭で備えることは現実的ではありません。
したがってわが家でも、万が一に備えて緊急用の窒息吸引器を常備することにしました。救助手段は一つでも多くあった方がよいと思います。
参考までに製品を紹介いたしますが、お役に立てるのであれば幸いです。
緊急用の窒息吸引器
この度購入したのは、こちらの窒息吸引器です。

中身を確認すると、シリンダー本体と3種類のエアバッグマスク、舌圧子が付属しています。本体や説明書に使用方法が書かれていますが英語表記のみです。
使い方は簡単ですので図を見て理解することができると思います。心配であれば翻訳アプリなどを使用して理解を深めてください。

器具の使い方
①にようにシリンダーを押し込んでセットします。②オレンジのボタンを押すと、急激にシリンダーが飛び出しマスク内が陰圧になり異物を吸引します。

吸引力を試してみました。吸引するとマスク内部は陰圧になるのでかなり強力に吸い上げられます。
分かりにくいかもしれませんが、私の腕を使って試してみた画像です。

窒息吸引器の使用例
①気道を確保するために、あお向けで片方の手でヒタイを押さえて、もう一方の手の指先をアゴにあててアゴを持ち上げます。

②エアバッグマスクを口に密着させます。このとき空気が漏れないようにしっかり固定します。おさえる手はマスクとアゴを一緒に持って固定します。
③最後にオレンジのボタンを押して吸引します。

※説明書には3回試みて異物除去が困難であれば、背部叩打法や腹部突き上げ法を行うように明記されています。
購入した吸引器で、今後改善してほしい点
・緊急用の器具であり正確に使用するためには、日本語表記の説明書が必要
・付属している3種類のエアバッグマスクの空気量が若干少なく調整もできないので、空気調整できるマスクに変更すべき
・頻繁に使用するものではないため耐久性が不明(今のところ問題なく使用できている)
まとめ
今回は、高齢者に多い気道異物による窒息時の対処法について説明しましたが、万が一の時のためにも、一般的な救助法の周知や器具の備えは必要であると自身の経験をふまえて強く実感しています。
そのような事態がおこらないことを祈りつつ、万が一おこった時にはすばやく対処できるように心がけましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
お役に立てていただけると幸いです。
